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循環器内科
科のご紹介

 入院治療は、主に、7階西病棟の47ベッド(CCU2ベッドを含む)で行われ、平均在院日数は12日で、年間入院は約1100例です。AMIを含め重症例も、優秀なチームに加えて、IABP、PCPSも用意していますので、24時間、365日歓迎です。症例がありましたらご連絡下さい。年間のAMI入院数は約90例でその死亡率は約5%です。心カテ数は約1000件で、PCIは220件、ペースメーカ植え込み症例は50例です。
 また、外来は、月曜は中嶋、布廣、火曜は鈴木、武藤、水曜は白石、木曜は中嶋、白石、金曜は中嶋、布廣で診療を行っています。心エコー、頚動脈エコー、トレッドミルなどは、外来でその日のうちに出来、心筋シンチ、冠動脈CTなども予約により外来で出来ますので気軽にご紹介下さい。
 最近は、冠動脈造影を嫌がる狭心症の患者さんには、まず冠動脈CTを施行しています。すでに300例ほどの経験がありますが、石灰化病変を伴う場合以外は極めて有用です。また、循環器疾患患者に多い睡眠時無呼吸症候群の検査も、睡眠時ポリグラフィーの機械を2台揃え、C-PAP導入も含めて2泊3日行っており、すでに、約300例にC-PAP導入をしています。心カテの技術習得には最適の場を提供しており、初期研修のみならず、後期研修、レジデントの研修も行っています。また、臨床に加えて、教育(医学部学生の病室実習、研修医のローテート、救命救急士の実習、看護学生の講義・実習)も行っています。

   
外来診療担当医表(循環器内科)

月 火 水 木 金
新患 中嶋 寛
布廣龍也
逸見 朋子 白石嘉憲 白石嘉憲 中嶋 寛
再来 鈴木 伸 中嶋 寛 布廣龍也
新・再 内田 雄三

   
スタッフ紹介

鈴木 伸

院長・診療録管理部長・地域医療連携室長・臨床研修センター長
長崎大学出身 昭和46年卒業
特に専門とする領域 : 循環器一般、高血圧・脂質異常症・失神
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本高血圧学会専門医制度指導医

中嶋 寛

主任診療部長
長崎大学出身 昭和59年卒業
特に専門とする領域 : 循環器一般、狭心症・心筋梗塞
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション学会指導医

布廣 龍也

診療部長
長崎大学出身 平成元年卒業
特に専門とする領域 : 循環器一般、不整脈・心不全
日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本循環器学会専門医

白石 嘉憲

医長
長崎大学出身 平成04年卒業
特に専門とする領域 : 循環器一般、狭心症・心筋梗塞
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医

内田 雄三

医長
昭和大学出身 平成12年卒業
特に専門とする領域 : 循環器一般、狭心症・心筋梗塞
日本内科学会認定内科医、総合内科専門医、循環器専門医

逸見 朋子

医師
長崎大学出身 平成20年卒業
特に専門とする領域 : 循環器一般



   
高血圧診療における長崎市民病院循環器内科の役割

院長 鈴木 伸


 高血圧患者は日本に4,000万人にものぼり、日常診療では慢性疾患としては最も多い疾患です。心臓病、脳卒中など悪性腫瘍を除いた死因のほとんどを占める動脈硬化性疾患のほとんどが高血圧患者に生じることから、血圧管理は極めて重要な国民的課題です。実際、高血圧患者の約半分の2,000万人が高血圧と診断され、その約半分の1,000万人が治療を受け、その約半分の5,00万人が到達目標に達していると言われています。そういう意味では高血圧の医療は極めて不十分と言わざるを得ません。われわれ勤務医は診療所の先生方と連携をしながら、1人でも多くの高血圧の患者の予後を良くするように努力する必要があると考えています。その際のわれわれの役割とは何かについて考えてみました。
1)臓器障害の検索:脳、心臓、腎臓、血管などの異常の有無を明らかにすることにより、降圧薬の選択、降圧目標が異なります【表1,2】。これらに関する検査ついては、ほとんど当科外来で行っていますので、必要によりご紹介下さい。

表1

表2

2)家庭血圧計の活用:外来の血圧のみでは、高血圧患者の診断および治療に対する正しい評価が困難です。また、治療の動機づけにも有用です。2009年の高血圧治療ガイドラインでは降圧目標に家庭血圧値を導入しています。ところで、仮面高血圧(外来血圧は正常で家庭血圧が高い)は臓器障害を来しやすいことも明らかになっており、それを発見するためには、家庭血圧計を用いて家族全員の測定値を記録してもらい、判定してはいかがかと思います。受診している方に家族全員の測定記録(朝1回測定し、10日分以上)を持参してもらうよう提案したいと思っています。
3)24時間血圧測定:高血圧の臓器障害は夜作られると言われています。夜間は血圧が下降するのが一般的ですが、下降しない症例もあり、臓器障害が進行しやすいことが知られています。当科では24時間血圧計を7台用意し、患者さんが同意されればいつでも検査出来る体制をとっています。ご依頼いただければ24時間血圧のみ測定させていただきます。
4)二次性高血圧の発見:高血圧の約80-90%は本態性高血圧で、一生治療が必要となります。残りの10-20%は二次性高血圧で、その中には手術で治癒しうる例も少なくありません。二次性高血圧は疑わないと診断に到達できないし、最終診断の確定は診療所では困難であることが多いと思われます。40歳以下の例、低K血症(利尿薬によるものも含む)を有する例、治療抵抗性の例、50歳以上でも血圧が急に上昇して来た例などは二次性高血圧の有無を詳しく調べる必要があります。ご相談いただければ検査をいたします。表3に主な二次性高血圧の鑑別の要点を示しました。
5)難治性高血圧、悪性高血圧の治療:3つの機序の異なった降圧薬を用いても降圧目標に達しない例(難治性高血圧)はその原因の再検討が必要である。また、拡張期血圧が130mmHg以上で、臓器障害の進展が急速であるいわゆる悪性高血圧は入院下に降圧薬の静脈内持続投与が必要となることが多く、動脈圧の観血的持続測定が必要となることも少なくありません。その際、当科にご紹介いただければ、入院受け入れをいたします。
高血圧診療で、当科がお役に立つと思われる項目についてまとめてみました。 高血圧は生涯の病気であり、かかりつけ医が治療していくのが基本と思われます。病院内の機器を用いながら、かかりつけ医の診療にお役に立てることを願う次第です。

表3

   
危険な胸痛のみわけ方

循環器内科主任診療部長 中嶋 寛


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 急性胸痛をきたす心臓病(表1)に対する治療開始までの時間は生命予後を規定する因子のひとつです。一方、急性心筋梗塞(AMI)における再開通治療は発症後2時間以内での施行が心筋の救済効果が大であるため、目標とされていますが、多くの例でこのtime windowから遅れて入院してくる現実があります(発症から入院までの平均時間:4.7 h:当科成績)。AMIを始めとする急性冠症候群、大動脈解離、および肺塞栓症が日常の臨床で遭遇する頻度の高い胸痛疾患ですが、同時に見落とされやすい疾患でもあります。超急性期(発症後2h以内)に搬送して頂くために、これらの疾患に対する効率のいいみわけ方を本稿の主題としました。

考え方のポイント:開業医の先生方の役割は大きく網をかけることだと思います。上記疾患の可能性が疑われたら、即座に搬送することが重要です。診断の確からしさを求める過程での時間経過が患者さんに不利に働く可能性があるためです。網を絞りこむこと(診断の確定と重症度の判定)は病院の役割という考え方を推奨致します。軽症例に見えても搬送方法は救急車の利用が無難です。次に網をかけるための根拠を何処に置くべきでしょうか?病歴と心電図所見がその根拠だと思います。併行しながら10分以内に施行可能で、情報量も多いためです。バイオマーカーは超急性期の診断には必ずしも有用ではありません。図1に当科へ発症後3h以内に入院したAMI例での心臓型脂肪酸結合タンパク(H-FABP)と心筋トロポニンT(CTnT)の陽性率の比較を示しています。感度の高いH-FABPを用いても、AMIの約30%の例では陰性を示しています。すなわち、超急性期にバイオマーカーを診断の根拠とすると見落としと時間消費のリスクが増大します。バイオマーカーは参考所見に留めるべきでしょう。

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病歴:急性冠症候群を疑う胸痛は次の2項目を満足すれば十分です。
1.年齢(男性:≧35歳, 女性:≧50歳)
2.冠危険因子の存在(高コレステロール血症、糖尿病など)
もちろん胸痛の表現型と程度は個人差があり、例えば年齢がすすむと痛みの程度は軽くなります。特別の留意点として、上部消化管由来と思われる症状(胸やけや心窩部痛)が新たに出現した場合は、AMIである可能性もあるため、心電図記録は必須です。内視鏡検査を先行して行われたAMI例は時に経験される処です。大動脈解離の症状はAMIと殆ど区別がつきませんが、症状がより激烈で、痛みの部位が解離の進展に従って移動することもあります。また、偽腔による血管枝の閉塞により、脳血管や下肢などの虚血所見を認める場合もあります。一例として撓骨動脈を左右同時に蝕知し、脈拍の左右差があれば(解離の30%の頻度)、大動脈弓部を含んだ解離の可能性が高くなります。肺塞栓症の症状は胸痛よりもむしろ突然の呼吸困難、ショックあるいは労作時の息切れが特徴的です。呼吸困難が強いのにもかかわらず肺野にラ音を欠く時は、肺塞栓症を疑う必要があります。

心電図:病歴に心電図所見を加えると疾患のふるい分けと病態の推測がある程度、可能となります。各パターン別に述べてみます。胸痛+パターン1-3では緊急搬送が必要です。
1. ST上昇:ST上昇型のAMIが最も考えられます。対側性ST低下を伴っていたら、ほぼ確実です。急性心筋炎、タコツボ型心筋症でもAMI類似のST上昇を示すことがあります。
2. ST低下または陰性T波:これらの所見はその誘導の分布を考慮しても、特定の疾患を示す所見ではありません。急性冠症候群においては冠動脈の不完全閉塞例、回旋枝閉塞例および多枝病変例で認めることが多い所見です。大動脈解離で高血圧による左室肥大を合併している例では、左室肥大によるST-T変化を示します。肺塞栓症ではV1-V4での陰性T波が最も頻度の高い心電図所見ですが、特異的とはいえません。
3. 左脚ブロック:左脚ブロックが新たに出現した胸痛例では、AMIや劇症型心筋炎などによる広範な心筋障害の可能性が高くなります。
4. 正常心電図所見:正常と判断する前に、軽度のST-T変化は認識しがたいことがあるため、以前の心電図があれば、比較ができるため有用です。正常心電図でも血圧低下例(収縮期血圧<90 mmHg)やSpO2低下例(SpO2<95%)では、迅速な搬送が必要です。一方、受診時、すでに症状がなく、vital signも安定している例では、病歴が判断の基準となります。初回発作例および不安定狭心症と考えられる例(発作頻度や持続時間の増悪、安静時狭心症など)では、すみやかな循環器専門医への紹介が必要と考えます。

当科での診断と治療のプロセス:当科では病歴と心電図を基本に心エコー、バイオマーカー、および胸部造影CTを組み合わせて、胸痛例を確定診断し、治療しています。その過程を図2に示しています。現在、当科では循環器専門医が院内に常在する体制を整えており、連絡先はCCU直通の携帯電話番号:080-1794-1010です。緊急入院が必要な患者さんの御連絡を頂けましたら幸いです。
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